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家をつくるときに私たち夫婦が重視したことは「訪れた友人たちが心からくつろげるリビングをつくる」こと。そのため、窓を思いきり大きく取って、陽光がたくさん入るようにしたり、みんなでサッカー観戦などを楽しめるようにホームシアターを取り付けたりしました。さらにリビングの中に一段低くなったスペースをつくり、その段差を利用して、腰掛けてくつろげるようにもしました。
自分なりの工夫を楽しむ一方で、既製の住宅であれば悩まないところに悩みました。階段一つとっても、高さは何センチにするか、素材は何を使うかなどを考え、決めなければいけません。リビングにつくった段差も、何センチの高さにするかずいぶん悩みましたよ。腰掛けるだけならある程度の高さが欲しいけど、段差がありすぎると移動の際に障壁となって使い勝手の悪い部屋になってしまいますからね。完成品が存在しないコーポラティブハウスは、設計段階で高さや広さなどをどれだけ具体的にイメージできるかがポイントになると思います。実際、建築やインテリアの専門知識のない私たちは、正直そこが一番不安でした。
その不安を取り払うには、やはり担当の建築士さんとコミュニケーションを重ねていくしかありません。私たちの場合も、建築士さんがメジャーを使いながら「この設計だとこれくらいの奥行きになります」などと、どんな家ができつつあるのかを実感できるように丁寧に説明してくれました。また、建築士さんが私たちの好みを理解し、効率よく提案してくれたので、私たちも細部まで納得いくまでこだわりながら、家づくりを楽しめました。ですから、建築士さんとの打ち合わせも苦ではなかったですね。それどころか「今回で設計の打ち合わせは終わりです」と言われたときは、「え、もう打ち合わせしなくていいの? もっといろいろ話したいよ!」って逆に寂しく思ったくらいです(笑)。
今回、私たちは「友人」という、今の自分が大切にしていることから家を考え、形にしていきました。でも、この先私たちに子どもができたら、きっと「子どもとの生活」をテーマに家をつくりたくなるはずです。だから、できることなら将来もう1度、コーポラティブ方式で家を作りたいと思っています。それは、自分のライフスタイルに合った家が欲しいというだけでなく、納得いくまでこだわれる家づくりのプロセスを、もう1度味わいたいからでもあるんです。
家具が入る前の地下一階。リビングエリアとダイニングエリアは、段差をつけ、明確にゾーンを分けた。リビングエリアの床タイル張には床暖房を設置。一旦暖かくなると冷めにくい。
週末は友達を呼びパーティが催される。ダーツやホームシアターが用意されたのもその為。段差に腰を掛けられるので、大人数にも対応できる。
最初は40センチくらいを想定していた段差も、検討の結果、30センチに落ち着いた。また、段差を利用して、床下収納スペースも確保した。
室内の階段は、コンクリートの冷たい表情を柔らげる為に桜の木のアクセントを付けた。
一階のベッドルーム
落ち着いたレッドチェリーでカラーコーディネート
キッチンは対面式カウンターキッチン。現在はカウンターに、バースタイルの椅子が設置されている。
「ホームシアターファイル」音元出版(2004/12/20発売)に 紹介されました。